義仲英一
日本での初調査
こんばんは、義仲です。
1923年(大正12年)に発生した関東大震災では、多くの建物被害が発生
しました。その数は、全壊が約10万9千棟、半壊が約10万2千棟です。
関東大震災がきっかけとなり、日本で初めて組織的に地盤調査が行われました。
調査をしたのは、日本の建築構造学の基礎を築いた佐野利器(さの としかた)
博士が計画した復興局です。 佐野博士は、関東大震災の8年前に、家屋耐震構造について講演をしています。 「耐震構造の『かなめ』とは、震力とその作用をできるだけ小さくすること、
そしてこれに対する抵抗を充分に大きくすることである。」と述べられている
事から今から約90年前には、地盤やそれに合わせた建物づくりの重要性を
認識していた事が分かります。 後の1952年には、「地盤と建築設計震度低減に関する建築基準法施行令に
対する建設省告示1074号」が公布されたことにより、地盤の良否と、建物
の設計計算が初めて直接結び付く事になります。
今や地盤の質を調べ、必要に応じて補強し、それに合わせた家をつくることが
当然のように出来る時代です。それができるのは、過去からの研究と経験の積み
重ねがあったからこそですね。
大きな震災がいくつも発生し、建物の不動沈下や土地の液状化といった映像を
見る機会が増えた事により、地盤調査の重要性を認識するようになった方も増え
たのではないかと思います。
調査を行った結果、地盤補強工事が必要となる可能性はどんな建築用地でも持っ
ています。場合によっては高額の補強工事費用必要な場合も有り、衝撃を受ける
かもしれませんが、それは自分や家族の将来を守る為の対策であり投資と受け止
められる様になりたいものです。 地盤調査が普及した当初は、調査を嫌がる人達もいたそうですが、今では保証
が付くまで発展した地盤保証です。地盤の安全性を認識しながら家づくりが出来
て良い時代だと感じる事もあるのですが、皆さんは地盤調査に対してどう思われ
ますか?