義仲英一
敷居、畳の縁
皆さんはこんな教えを聞いたことがありますか?
「畳の縁を踏むとバチがあたる」
「畳の縁に入っている家紋を踏むことは、そこに住む家族や
ご先祖様の顔を踏んでいるのと同じ」
部屋と部屋の境目にある『敷居』についても、
「敷居を踏むことは、その家のご主人の頭を踏みつけるのと同
「境界線やテリトリーを軽率に扱っているのと同じ」
などと言われることがあります。
和室が多い家、和風の家で暮らすと、そんな作法を幼い頃から何度も
耳にするのではないでしょうか。しかし、和室が無い住宅で生まれ
ると、敷居や畳の縁を見ることなく成長します。作法の話なんて聞く
ことが無いかもしれませんね。
こんな作法気にしない。と言われればそれまでかもしれませんが、
外出先で先方に気を悪くされたり、恥をかいてしまわないように
意識しておいても良いと思います。
そもそも床と同じ感覚で歩くと具合が悪いというあるとあると思う
のです。敷居は建具を潤滑に動かす為の箇所なので、踏まれて負荷
がかかってしまうと歪みにつながり、良くないです。
畳は高級品で、権力を示す象徴でもありました。その為、当初は
高貴な人や来客のもてなしにのみ使われていました。身分によって
畳の厚さや縁の柄を使い分けるほど、人々にとって思い入れの強い
ものだったのです。
高度成長期や核家族化などの影響で、親から子へ語り継がれていた
教えが、いつの間にか途切れているのかもしれませんね。
もし、あなたが新居を建てることになった場合、お子さん達に敷居
の話、畳の縁の話を伝えますか?日本人として知っておいて損は
ありませんので、ぜひ伝えてあげてください。